93第Ⅳ章 興奮伝導の異常・ブロック 等ブロック-11 Answer???V1V2V3V4V5V6ⅠⅡⅢaVRaVLaVFまず、明らかなP波()のみを抽出しPP間隔を追ってみると、QRS波やT波に埋もれて明瞭でない部分もあるが、P波は55/分前後でほぼ規則的に出現しているようにみえる()。一方、QRS波は90/分前後で右脚ブロック左軸偏位型の規則正しい心室調律を呈しており()、心室調律としては心拍数が速い促進型心室固有調律(slow VTということもある)と診断される。QRS波の頻度がP波の頻度を凌駕し、P波とQRS波が互いに無関係に出現する完全房室解離を呈していると考えられる。心筋梗塞の急性期にしばしばみられる現象である。
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