臨床心電図解析の実際 - 複雑な心電図の解析編
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90複雑な心電図の解析編ブロック-10 AnswerV1V2ⅠⅡ心電計の自動診断では、①洞不整脈()、②心室期外収縮()とされていた。確かにそのようにみえるが、はたしてそれでよいであろうか。××××××××心房房室結節心室心房房室結節心室洞結節洞房伝導洞結節洞房伝導ABⅡⅡ続いてⅡ誘導を長めに記録したところ、AおよびBの記録が得られた。AはPP間隔およびRR間隔が長短を繰り返す二段脈の状態()、Bではそれに心室期外収縮が加わっていると判断される。二段脈の機序としては、長周期と短周期のP波形が微妙に異なるようにみえる点から、心房期外収縮の二段脈と考えることもできるが、連結期が700msecを超える点は不自然である。むしろ、上段のラダーダイアグラムに示すように、3対2伝導のWenckebach周期を示す洞房ブロックとみるのが妥当ではないであろうか。下段Bで心室期外収縮の発生に伴ってWenckebach周期が崩れるのは、ラダーダイアグラムのように心室期外収縮の興奮が心房へ逆行して逆行性P波を形成し、さらに★印で洞結節を興奮させ、そこから新たな洞周期が始まったと考えれば説明可能である。

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