臨床心電図解析の実際 - 複雑な心電図の解析編
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84複雑な心電図の解析編ブロック-7 AnswerV2心房房室結節心室洞結節洞房伝導A1A2A3A4A5A6A7A8A9A10V1V2V3V4V5V6V7V8V9V10(S1)(S2)(S3)(S4)(S5)(S6)Ⅱ解析のキーポイントは、偶数拍に自己リズムとして出現する洞調律P波のタイミング()をどのように考えるか、である。洞性不整脈のために、偶然にこのタイミングで出現したと考えられなくもないが、やはり基本は洞結節が規則的に興奮しているという前提で解析を試みる必要がある。ラダーダイアグラム上段に示すように、洞結節から心房に至る興奮伝播過程で、徐々に延長~脱落~短縮というWenckebach周期の第2度洞房ブロックを想定することによって、このリズムが説明できそうである()。一見ペースメーカの異常のようにもみえるRR間隔の逆Wenckebach周期が、上位の洞房間でのWenckebach周期によってもたらされたと考えられる、大変興味深い所見である。

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