第7章|臨床心電図解析の実際 - 不整脈関連波形異常編
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16重症不整脈に直結する波形異常編STT-6 AnswerABNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN深夜1時15分、胸痛の自覚とともにAに示す有意のST上昇がチャネル2で確認され()、その30秒後にはBで示すようにさらにST上昇が強まっている()。典型的な異型狭心症発作時の心電図変化であるが、この後どのような経過を辿るであろうか。CDNNNNNNNNCはさらに1分後の心電図で、チャネル2のST上昇はさらに増強し()、ほとんど活動電位のような形態をとっている。また、チャネル1では逆にST低下をきたしているのがわかる()。さらに4拍目では房室ブロック(Wenckebach周期のようであるが)も出現し()、心筋虚血が進行していると判断される。Dはそのさらに1分後の心電図(発作開始から2分30秒後)で、広範な心筋虚血の結果、ついにadvanced AV blockによる5.5秒に及ぶ心停止をきたした()。異型狭心症発作時には、本例のように極めて短時間に病態が大きく変化する恐れがあるため、十分な注意が必要である。

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