第5章|臨床心電図解析の実際 - 不整脈関連波形異常編
2/12

2重症不整脈に直結する波形異常編ε(イプシロン)波がみられる心電図ε波とは?*QRS終末部に見られる小さな高周波の波で、しばしば低電位で細かく分裂してみられる。*J波に類似しているが、J波に比してより高周波で低電位であることで鑑別される。*右心室の著明な拡大を示す不整脈原性右室心筋症〔右室異形成症(arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy/dysplasia:ARVC/ARVD)〕の際に特異的に観察され、右心室内に伝導遅延部位が存在することを表している。*加算平均心電図では、ε波に相当する部分に著明な心室遅延電位(late potential:LP)を認める。*ε波を認める例では、しばしばリエントリー性の持続性心室頻拍を起こす。

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る