第2章|臨床心電図解析の実際 - 不整脈関連波形異常編
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6重症不整脈に直結する波形異常編Brugada sign-1 AnswerⅠⅡⅢaVRaVLaVFV1V2V3V4V5V6会社の健康診断では、以前から完全右脚ブロックで経過観察とされていた。たしかに胸部誘導では右脚ブロック類似の波形を呈しているが、STが異常に上昇しており(↑)、右脚ブロックとしては非典型的である。V1V2V3拡大波形で明らかなように、3つの誘導で0.2~0.8mVにおよぶST上昇(↑)が観察される。J点から大きく上昇したST部分はそのままT波に移行して下降し、一部は陰性化(↓)した後に基線に戻っている。このような波形変化をcoved型ST上昇(coved type ST elevation)、あるいはBrugada型心電図type 1と呼び、Brugada症候群特有の所見とされている。

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