第2章|臨床心電図解析の実際 - 不整脈関連波形異常編
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12重症不整脈に直結する波形異常編Brugada sign-4 AnswerV2誘導で軽度のST上昇( )を認めるものの、典型的なBrugada型心電図ではない。ⅠⅡⅢaVRaVLaVFV1V2V3V4V5V6家族歴を含む臨床背景と症状からBrugada症候群を疑い、ピルシカイニド負荷試験を行った際の心電図を示す。左は投与前、右はピルシカイニド1mg/kgをゆっくりと静注した後の胸部誘導である。ピルシカイニド投与前に見られたST上昇( )は軽度なものであったが、ピルシカイニド投与後には、QRS幅の拡大とともに典型的なcoved型ST上昇( )が誘発されているのがわかる。Brugada症候群を強く示唆する所見で、その後の電気生理学的検査にて容易に心室細動が誘発され、植込み型除細動器の植込みを行った。ピルシカイニド投与前 ピルシカイニド投与後 V1V2V3V4V5V6V1V2V3V4V5V6

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