臨床心電図解析の実際 - 不整脈関連波形異常編
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δ波-3 AⅠⅡⅢaVRaVLaVFV1V2V3V4V5V6ABδ波-17 Answer記録中にみられる形態の異なった心拍AとBをどのように診断したらよいのであろうか。まずAに関しては、先行RR間隔が洞周期に一致すること、明らかなδ波が存在すること(↑)から、Kent束を順行した洞収縮心拍と考えてよいであろう。一方Bは、連結期の短い期外収縮で先行するP波はなく、QRS幅が広い。心室期外収縮の可能性も否定できないが、よくみると基本的な形は洞収縮に類似しており、矢印(↑)で示すQRSの立ち上がり部分は緩徐でδ波と考えられることから、Kent束近傍から発生した上室期外収縮と診断すべきであろう。重症不整脈に直結する波形異常編40

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