臨床心電図解析の実際 - 不整脈関連波形異常編
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ⅠⅡⅢaVRaVLaVF1秒AAAAABC1秒前半部分の拡大記録。Aは、陽性のP波と明確なδ波(↑)が確認され、Kent束を順行する洞収縮と判断される。BはQRS幅の広い期外収縮(早期収縮)であるが、先行するP波がない。QRS波の形態が洞収縮とほとんど変わりがなく上室期外収縮と考えられる。また、明確なδ波( )を認めることから、Kent束近傍からの期外収縮と考えてよさそうである。Cは先行RR間隔が長い・P波がない・QRS幅が狭い・T波が陰性であるなど、他の心拍とはまったく形態が異なる。房室接合部由来の補充収縮と考えるのが妥当であろう。PR間隔短縮・QRS幅増大・δ波の存在からWPW症候群であることは明確で、Ⅱ・Ⅲ・aVF誘導のδ波が陰性( )であることから、左室高中隔領域にKent束を有するA型WPW症候群と考えられる。δ波-16 Answer重症不整脈に直結する波形異常編38

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