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治療について

カテーテルアブレーション

日本医科大学循環器内科 宮内 靖史

1.カテーテルアブレーションとは

 カテーテルアブレーションとは、不整脈を引き起こす異常な心臓内の局所にカテーテルを使用して焼灼を行い正常なリズムを取り戻す方法です。

 正式には経皮的カテーテル心筋焼灼術と呼ばれ、カテーテル手術の一つに分類されます。

2.カテーテルアブレーションの方法

カテーテルアブレーションの方法は、足の付け根や首の静脈からカテーテルと呼ばれる径1.3~2.6mmの細長い管を挿入し、血管をたどり心臓の中へと進めます。カテーテルの先端付近には電極と呼ばれる金属がついていて、カテーテルを体外の専用機器に接続することにより、心臓内の電気現象を記録したり、心臓を電気刺激したりすることができます。
 また複数のカテーテルを心臓内に進め、不整脈中の電気の流れや、特殊な電気刺激中の電気の流れを分析することにより不整脈の原因を突き止め、どこを治療すべきかを判断することができます。
 つぎに治療部位へアブレーション専用のカテーテルを進め、高周波電流を流します。高周波電流によってカテーテルと接した心臓組織が温められます。一定の温度以上に上昇するとタンパク質が凝固し、不整脈の原因である電気を伝えたり発生することができなくなることにより、対象の不整脈が消失します。
 治療にかかる時間は、治療する不整脈や患者さんの状況によって違い、1時間程度から数時間以上かかるも場合まで様々です。
 カテーテルアブレーションは、患者さんが静脈麻酔薬で深く眠っている状態で行う場合、鎮静薬でうとうとした状態で行う場合や、カテーテル挿入部位の局所麻酔のみで行う場合があります。手術時間の長さや、電気ショックなど痛みを伴う処置をするかによってどの程度の麻酔・鎮静を行うかが決められます。
 アブレーション終了後は、カテーテルを抜去し、挿入部位をしばらく手で圧迫して止血が行われます。患者さんは病室に戻った後、挿入部位から出血しないように4~8時間ベッドで寝て安静にします。

3.カテーテルアブレーションで治療できる不整脈と治療成功率

心房細動心房粗動発作性上室性頻拍、心房頻拍、心室頻拍、心室期外収縮など、ほとんどの不整脈を治療することができます。成功率は不整脈の種類により異なります。発作性上室性頻拍・通常型心房粗動では90~98%、心臓に不整脈以外の異常のない患者さんに発生する心室頻拍、心室期外収縮、心房頻拍では80~95%で成功します。

心房細動では、心房の大きさ、持続期間などによって60~95%と幅があり、成功するまでに2回以上の手術が必要な場合があります。

4.カテーテルアブレーションの適応

 前述した不整脈があり、次のような状態にあてはまる場合には、カテーテルアブレーションを受けるメリットがあります。

●生活習慣の是正や不整脈を抑えるくすりによる治療があまり効かない

●不整脈を抑えるくすりが有効でも副作用などのため続けることが出来ない。またはくすりでの治療を希望しない

●頻拍発作を繰り返す

植込み型除細動器を植込み後、頻拍に対する作動が多い

5.カテーテルアブレーションの合併症

 カテーテルアブレーションには次のような合併症が発生することがあります。

脳梗塞:

心房細動のアブレーションにおいて、まれに(0.3~0.5%)発生します。心房細動以外の不整脈ではきわめてまれです。

心穿孔:

心臓に小さな損傷ができ、そこから心臓周囲に血液が漏れて血圧が下がります。心房細動のアブレーションの1%前後に発生しますが、心房細動以外の不整脈では心穿孔がおこるのはごくまれです。対処法は針を刺して漏れ出した血液を排出する方法が行われます。

その他:

カテーテルを挿入する血管の損傷や出血、心臓の周囲の神経や臓器の障害が発生することがあります。

 これらの合併症は、患者さんの状態や治療する不整脈によって発生率が異なりますので、主治医によく相談しましょう。

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