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心臓の病気について

失神

日本大学医学部内科学系循環器内科学分野 横山 勝章

 失神とは一過性に脳の血流が低下するいわゆる脳虚血に伴う症状であり、ほんの数秒間や数分間持続する持続する意識消失でその後回復することをいいます。
 原因として心臓疾患、脳血管疾患、低血圧、自律神経調節の異常、低血糖、呼吸器疾患など様々ですが、明らかな疾患がなくても極端なストレス、脱水によって引きおこすこともあり、20~30%は精査をおこなっても原因がはっきりしないこともあります。
 心臓血管系が原因の失神の場合はときに重篤となるため、精密検査が必要です。頻脈性不整脈や徐脈性不整脈、心筋梗塞や狭心症の虚血性心疾患、大動脈疾患、大動脈弁狭窄症などの心臓弁膜症、心筋症、慢性心不全によって生じ、重篤な疾患が合併する場合が多いといわれます。
 心臓血管系に失神の原因となるような疾患を認めない血管迷走神経性失神は、比較的若年者に多く、失神の原因の25~40%を占めます。自律神経調節の障害が原因ですが、長時間の起立や運動、排尿排便、飲酒、発熱、脱水を契機におこることがあります。多くの場合失神発作は一時的ですが繰り返す場合には検査が必要となります。

 不整脈が原因の失神の場合、それぞれの不整脈の種類に応じた治療が必要であり、まずは原因の検査が最も重要といえます。洞不全症候群房室ブロックには恒久的ペースメーカ治療、頻脈性不整脈には抗不整脈薬、カテーテルアブレーション植込み型除細動器(ICD)治療が適応となる場合があります。
失神の検査は非心臓血管疾患の除外、12誘導心電図、24時間ホルター心電図、心臓超音波検査またはCTなどの画像検査、心臓電気生理学的検査や冠動脈造影検査などが必要です。しかし多くの場合、失神時の情報を得ることは困難であり、上記の検査を繰り返すこともあります。最近は植込み型ホルター心電図を手術により前胸部皮下に植込むことで、今まで原因が不明であった失神の診断が容易となる場合があります。

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