植込み型心電計の適応とその実際

演 者 中野 由紀子 広島大学循環器内科

植込み型心電計(Insertable cardiac monitor)とは、小型のセンサーを皮下に植え込むことにより長期(最長4年間)に渡り心電図のモニタリングが可能なデバイスである。動悸や失神の原因を解明するためには、症状発現時の心電図をとらえることが重要である。近年、12誘導心電図、24時間ホルター心電図、運動負荷心電図に加えて、携帯心電計や長時間ホルター心電図(イベントレコーダー)などが普及しているが、それらのデバイスを用いても有症状時の心電図を検出できない場合がある。植込み型心電計は以前より反復性の失神などの症例を適応として用いられており、このデバイスで原因不明の失神の診断がつくことも多い。植込み型心電計も進歩し、小型化し、植込みも簡便となり、原因がわからない潜因性脳梗塞についても保険適応となった。このデバイスにより潜因性心房細動が今までよりも早期に高率に発見できるようになり、心源性脳塞栓症の二次予防に大変有用である。植込み型心電計の適応と実際について実例をお示しする。