第29回日本不整脈学会学術大会

第31回日本心電学会学術集会

大会長新田 隆

日本医科大学 心臓血管外科

The 29th JHRS President

会長新 博次

日本医科大学 多摩永山病院
循環器内科

The 31st JSE President

   このたび第29回日本不整脈学会ならびに第31回日本心電学会を合同学術大会として7月22日(火)から25日(金)までの4日間の日程で港区芝公園の「東京プリンスホテル」ならびに「ザ・プリンスパークタワー東京」にて開催させて頂くこととなりました。私ども両学会の大会長としてご指名を頂きましたので、ご挨拶を申し述べさせて頂きます。

   わが国の不整脈領域を担う主要学会が合同で学術大会を開催する事で、基礎から最新の臨床まで、心臓電気生理学・電気薬理学の進歩から最先端の技術・最新のデバイス治療そして外科治療まで幅広く取り上げるだけでなく、複数回の学会開催という不便さを克服し、より多くの研究、診療活動に従事する皆様に業績発表、情報収集の場を合理的に提供したいと考えております。

   Einthovenによる体表心電図記録から110年、ScherlagらによるHis束心電図記録から45年が経ち、今日の不整脈、電気生理学は相当に発展してきたように思われます。しかし、心房細動や心室細動などの難治性不整脈の機序や治療法は未だに確立されておらず、ペースメーカやICDも代替あるいはレスキュー治療であって必ずしも根治療法ではありません。多くの未解決の課題に立ち向かっていくためには、これまでに得られた知識と技術を検証するとともに次世代に継承する必要があります。その様な願いを込めて、今大会のテーマをLearning the Legacy and Confronting the Futureといたしました。

    今日の不整脈学において解決しなければいけない課題は極めて多岐に渡り、分子生物学から電気生理学、カテーテルやデバイス治療、そして外科に至るまで極めて広い範囲での対応が求められます。次世代を担うべき人材は若手医師や研修医にとどまらず、医学部学生にも求める必要があります。本学術大会では教育的な企画を充実させるとともに、各分野におけるCutting edgeを理解することにより、解決すべき問題点を明確にさせたいと考えています。

    本学術大会では、欧米の専門学会であるHeart Rhythm Society(HRS)、European Heart Rhythm Association (EHRA)とのジョイントセッションなど、国際交流にも力を入れるとともに、国際化を促進することを意図し、English sessionも併設し運営させて頂くことにしております。また、わが国の将来を託すべく若手研究者の顕彰、医学生による研究発表の場を提供することも企画しております。一方で、より良い医療を提供する上で、コメディカルスタッフとの緊密な連携に基づいたチーム医療も極めて重要です。疾患や治療に対するコメディカルの理解と協力なしでは、患者さんに高度な医療を安全かつ有効に提供することは不可能です。コメディカルセッションの更なる充実を図り、各施設でハートチームとして有機的に機能できるような企画を準備しております

    このように実りある合同学術大会になるようスタッフ一同で鋭意準備を進めておりますので、多くの医師、コメディカルのほか、医学生や医療関係者にご参加いただきたくお願い申し上げます。