会長挨拶

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 第12回日本不整脈心電学会植込み型デバイス関連冬季大会の会長を仰せつかりました渡邉英一です。開催に際しまして、皆様にご挨拶申し上げます。

 近年、着用型除細動器、リードレスペースメーカ、皮下植込み型除細動器などのニューデバイスが普及し、ヒス束ペーシングをはじめとした電極リードの開発や、さらにはリード抜去が進歩するなど、植込み型心臓デバイスのハード面の発展には目覚ましいものがあります。これに加えて、最近は人工知能を応用した不整脈や心不全の新しい診断アルゴリズムが登場するなどソフト面にも長足の進歩があります。これまで私たちが経験的に行ってきた診断が自動診断に代わり、その診断に基づいて最適な治療が提案される時代になることが予想されます。

 心臓植込み型デバイスは患者生命を直接左右するため、正確な知識をもとに適正に使用する必要があります。ここで求められるのは、デバイスの構造や治療アルゴリズムに精通した臨床工学技士や臨床検査技師の積極的な関与であり、さらには看護師による親身の患者指導介入です。近年、遠隔モニタリングの普及とともに、メディカルプロフェッショナルの果たす役割がますます大きくなっています。これまでメディカルプロフェッショナルの業務は、主に不整脈デバイス植込みと外来チェックであったため、患者さんとの接触は一時的なものでした。しかし、遠隔モニタリングを行うことにより、アラートメールの評価と医師への提案、さらには患者指導などが新たな業務として加わるため、継続的な治療への参加が求められるようになりました。業務負担は大きくなりますが、患者さんに対するきめ細かいデバイス管理の提供が可能になり、かつ自身のスキルアップにもつながるはずです。

 本研究会では、植込み型デバイス委員会・部会が主催するセッションのほか、恒例となったunknown traces、デバイス植込みに必須の心臓解剖標本展示、トラブルシューティングなどに加えて、メディカルプロフェッショナル部会セッションも予定しております。

 懇親会では、名古屋名物にトライしていただきます。名古屋名物といえば、味噌カツ、味噌煮込みうどん、手羽先、ひつまぶし、てんむす、きしめんですが、その他にも様々な郷土料理が存在しています。独自の進歩を遂げた名古屋の食文化「名古屋めし」をご賞味ください。

 

第12回植込みデバイス関連冬季大会

会長 渡邉英一

(藤田医科大学循環器内科)