特別講演 |
奥村 謙 | 弘前大学大学院医学研究科 循環呼吸腎臓内科学 | |
Richard Sutton | Imperial College London |
教育講演1 |
中島 博 | 板橋中央総合病院 不整脈・心不全科 | |
中里 祐二 | 順天堂大学浦安病院 循環器内科 | |
石川 利之 | 横浜市立大学附属病院 循環器内科 | |
植込まれたデバイスは、個々の症例によって最適な設定がなされるべきである。そこで初めて植込みデバイスの治療効果が期待できるのである。しかし、多くの植込まれたデバイスが工場出荷設定となっていることは周知の事実である。さらに詳細な設定が必要な植込み型除細動器についても、十分な設定の最適化がなされてないとも言われている。これらの設定は機種ごとによって異なる点もあり、突き詰めて行けばハンズオンセミナーが望ましいのであろう。しかし、設定の知識レベルは医師によって様々であることがハンズオンセミナーの難しさである。また、設定の基本をひもといた書物が少ないのも事実である。今回は、デバイスの機種によらない基礎的な設定の実際を整理することによってさらに進んだ設定を理解できるような教育講演を企画した。誰にも聞けない「ペースメーカ設定の基礎と応用」と題して石川利之先生に、また、栗田隆志先生には、知っておきたい「ICD設定の基礎と応用」についてレクチャー頂く。
教育講演2 |
青沼 和隆 | 筑波大学医学医療系 循環器内科学 | |
阿部 芳久 | 秋田県成人病医療センター 循環器科 | |
栗田 隆志 | 近畿大学医学部附属病院 心臓血管センター | |
植込まれたデバイスは、個々の症例によって最適な設定がなされるべきである。そこで初めて植込みデバイスの治療効果が期待できるのである。しかし、多くの植込まれたデバイスが工場出荷設定となっていることは周知の事実である。さらに詳細な設定が必要な植込み型除細動器についても、十分な設定の最適化がなされてないとも言われている。これらの設定は機種ごとによって異なる点もあり、突き詰めて行けばハンズオンセミナーが望ましいのであろう。しかし、設定の知識レベルは医師によって様々であることがハンズオンセミナーの難しさである。また、設定の基本をひもといた書物が少ないのも事実である。今回は、デバイスの機種によらない基礎的な設定の実際を整理することによってさらに進んだ設定を理解できるような教育講演を企画した。誰にも聞けない「ペースメーカ設定の基礎と応用」と題して石川利之先生に、また、栗田隆志先生には、知っておきたい「ICD設定の基礎と応用」についてレクチャー頂く。
日本におけるICD植込みの実態と植込み後の電気的ストーム:全国多施設調査から |
三田村 秀雄 | 立川病院循環器センター |
栗田 隆志 | 近畿大学医学部附属病院 心臓血管センター |
清水 昭彦 | 山口大学大学院医学系研究科 保健学系学域 | |
Mirowski博士の努力によって完成したICDが,やがて米国副大統領であったDick Cheneyにも植え込まれ、任務遂行の一助となったことはよく知られている。Cheneyは致死性不整脈こそ出現していなかったものの、冠動脈バイパス術やPCIを受けており、ICDの植え込みは一次予防目的であった。しかし同程度の虚血性心臓病があれば日本人でも予防的ICDを入れるべきかどうかは何とも言えない。その妥当性を吟味するためのデータが日本人の場合にはまだまだ不足している。 もう一つ、頼りのICDが危なっかしく思える場面が電気的ストームである。個々の不整脈発作を電気ショックで止めることはできても、それが短時間に何度も繰り返されたのではたまったものではない。意識のある患者にとってはもちろんのこと、たとえ意識がなくても電気ショックが重なると、その度に心筋が弱っていき、やがて除細動閾値が上昇して電気ショックに反応しなくなる可能性も危惧される。このようなICDにまつわる疑問難題を解決するには、日本人を対象とした多数例の調査が不可欠である。本セッションでは日本人へのICD/CRT-D植込みの実態を調べたJCDTRと、ICD患者における電気的ストームの調査を試みたNIPPON Stormの二つの学会主導型調査を取り上げ、その最新情報を伝えていただく予定である。是非、耳を傾けていただきたい。
シンポジウム1 |
住友 直方 | 日本大学医学部小児科系 小児科学分野 | |
今井 克彦 | 広島大学病院 心臓血管外科 | |
加藤 律史 | 埼玉医科大学国際医療センター 心臓内科 | |
檜山 和弘 | 福岡市立こども病院 心臓血管外科 | |
鈴木 嗣敏 | 大阪市立総合医療センター 小児不整脈科 | |
宮崎 文 | 国立循環器病研究センター 小児循環器科 | |
最も歴史の長いデバイスはペースメーカ植込みであるが、ペースメーカ植込みのほとんどは成人である。また、ICD、CRT-D植込みの多くの症例は虚血及び非虚血性心疾患に伴うVT、VF症例で、これらも若年、小児例での植込みは少ない。今回、若年者、小児に対するデバイス植込みの問題点をテーマとして取り上げることにした。若年者では、非虚血性心疾患に対するCRT-D、CRT-Pがデバイスの主な対象となると考えられるが、小児に対しては未だこれらのデバイス植込み症例は極めて少ない。何故少ないのか、今後増やすためにはどのような対策が必要なのか、長期にわたって経過を追う際におこる問題点は何か、等を本シンポジウムでは取り上げる予定である。
シンポジウム2 |
豊島 健 | USCIホールディングス株式会社 CRDMビジネスユニット | |
杉浦 敏文 | 静岡大学電子工学研究所 生体医療計測分野 | |
藤本 裕 | 日本メドトロニック株式会社 CRDM教育部 | |
豊島 健 | USCIホールディングス株式会社 CRDMビジネスユニット | |
野島 俊雄 | 北海道大学大学院 情報科学研究科 | |
日本では公共交通機関の車内放送で取り上げられるなど、植込みデバイスの電磁干渉(EMI)問題に関して、一般市民ですら非常に高い関心を示しているといえる。また、メーカーの患者相談窓口に寄せられる質問も、その7割がEMIに関するものであることも、これを物語っている。
植込みデバイスのEMI問題は、携帯電話の普及によって、電波を発射する装置がきわめて身近な存在となって、衆目を集めるようになった。このため、電波行政を所管している総務省も、状況を正しく把握し、国民の疑問に答えるため、平成9年の携帯電話の22cmガイドライン制定を始めとして、『電波の医療機器等に及ぼす影響』について調査研究を継続的に実施している。これらの調査を通じて、電波発射源を扱う企業が独自の点検を行ったり、その試験方法自身が吟味されたりして、現在の日本は、この問題で国際的にも最先端に立っているといえる。その一つの現れとして、日本自動認識システム協会と北海道大学が共同で『RFID機器が植込み型医療機器に及ぼす影響の評価方法に関する標準化』について、国際標準化機構(ISO)にテクニカルレポートを提案し、これが採択されて、2011年の暮れにISO/IEC TR20017として刊行されている。
そこで、本セッションでは、メーカーの立場で、長く電磁環境調査に携わって来られた藤本氏から、調査のメリットとその限界について、また、豊島から今後の電磁干渉で問題になるであろう点について、さらに携帯電話のガイドライン制定からISOテクニカルレポートの提案まで、電波の専門家として、長く関わって来られた野島教授から、電波によるEMIについての様々な所感について、お話しして頂くことにした。
講演:
メーカーによる電磁環境調査のメリットと限界
日本メドトロニック(株)CRDM 教育部 藤本 裕(30分)
今後のデバイス電磁干渉で留意すべきもう一つの問題点
USCIホールディングス(株) CRDMビジネスユニット 豊島 健(30分)
日本の携帯電話ガイドライン制定からISOテクニカルレポート提案までの経緯
北海道大学大学院 情報科学研究科 野島 俊雄(60分)
パネルディスカッション1 |
新田 隆 | 日本医科大学 心臓血管外科 | |
栗田 隆志 | 近畿大学医学部附属病院 心臓血管センター | |
中島 博 | 板橋中央総合病院 不整脈・心不全科 | |
庄田 守男 | 東京女子医科大学 循環器内科 | |
三橋 武司 | 自治医科大学 循環器内科 | |
大森 裕也 | 日本医科大学 心臓血管外科 | |
関口 幸夫 | 筑波大学医学医療系 循環器内科学 | |
植込み型心臓デバイスの不具合は患者の安全を脅かす重大事象である。なかでも抜去が困難で容易に入れ替えることが出来ないリードの不具合は深刻で、その対処には統一した見解が見いだせないこともしばしばである。近年の技術革新によってリードの細小化が得られるようになったが、一方でリード不具合の発生率は上昇する可能性もある。このセッションでは過去に発生したリードの不具合を振り返るとともに、現在大きな問題となっているICDリードの不具合のメカニズムを検証し、その対処法について考える。
パネルディスカッション2 |
住吉 正孝 | 順天堂大学医学部附属練馬病院 循環器内科 | |
小林 洋一 | 昭和大学医学部 内科学講座 循環器内科学部門 | |
近年、原因不明の失神発作の診断法としてチルト試験(Head-up tilt test:HUT)と植え込み型ループレコーダー(Implantable Loop Recorder:ILR)が保険適応となり、失神の分野も新しい展開をみせている。それに伴い2007年に作成された日本循環器学会の「失神の診断と治療のガイドライン」も現在改訂され近日中に公開される予定である。 失神の診断においては、いかに心原性失神を除外するかが最重要課題である。神経反射性失神の多くは病歴より診断可能であるが、HUTにより診断される場合もある。また、診断に苦慮する場合はILRも有力なツールとなる。
神経反射性失神の治療は生活指導を含めた非薬物療法と薬物療法からなる。非薬物療法ではチルト訓練が有効であるが、継続コンプライアンスの問題がある。また、心抑制型にはペースメーカ治療も考慮すべきであるが、若年者に対しては検討を要する。薬物療法においては有効性が大規模臨床試験で証明されたclassIの薬剤はないが、日常臨床ではしばしば有効例を経験する。
本セッションでは失神の中でも最も頻度の高い神経反射性失神の診断と治療について、HUTやILRの適応と実際の使い方を含めてパネリストと共にディスカッションしたいと考えている。
ディベートセッション1 |
相良 耕一 | 心臓血管研究所附属病院 循環器内科 | |
石川 利之 | 横浜市立大学附属病院 循環器内科 |
河野 律子 | 産業医科大学 第二内科学 | |
岡村 英夫 | 国立循環器病研究センター 心臓血管内科 |
池田 隆徳 | 東邦大学医学部 内科学講座 循環器内科学分野 | |
井川 修 | 日本医科大学多摩永山病院 内科・循環器内科 |
ディベートセッション2 |
松本 万夫 | 埼玉医科大学国際医療センター 心臓内科 | |
山城 荒平 | 豊橋ハートセンター 循環器内科 |
吉田 幸彦 | 名古屋第二赤十字病院 循環器センター内科 | |
佐々木 真吾 | 弘前大学大学院医学研究科 循環呼吸腎臓内科学 |
松下 浩平 | 横浜市立大学医学部 循環器腎臓内科学 | |
中村 俊博 | 国立病院機構九州医療センター 循環器科 |
ワークショップ1 |
中里 祐二 | 順天堂大学浦安病院 循環器内科 | |
須藤 恭一 | 横浜いずみ台病院 循環器科 | |
デバイス治療の進歩に伴い、新たな機能やデザインを有するデバイスが発売され、それに伴い植込み手技も複雑化し難易度も上がりつつある。また難易度に加え、手術手技自体が様々な原因で遅延する事態も新たに生じてきており、術後合併症などで患者のQOLに大きな影響を及ぼすことも懸念される。
手術手技を複雑にする代表的要因としては解剖学的問題、患者要因、先行手術の影響、各社リードのデリバリーシステムを含む特性の違いなど多岐に渡ることが想定される。本セッションでは臨床で遭遇する可能性が高く、複雑手術手技を選択せざるを得なかった症例や、手技自体に工夫を凝らさなければならなかった症例などを発表して頂く。合併症を回避しつつ、どのようにして難易度の高い症例に対応したかという点を中心にディスカッションできればと考えている。このワークショップが今後の日常臨床の参考になれば幸いである。
ワークショップ2 |
森本 大成 | 大阪医科大学外科学講座 胸部外科 | |
内藤 滋人 | 群馬県立心臓血管センター 循環器内科 | |
両室ペーシングによる心臓再同期療法(CRT)は心不全の重要な治療方法の一つに位置付けられています。CRTは経静脈的な植込み方法が主ですが、冠静脈へのリード挿入困難例、左室ペーシング閾値の上昇例や横隔神経刺激例などに対してはCRTを行うことができません。また冠静脈のリード留置場所によってはCRTの有効性に違いがあるとの報告もあり、これらを解決する方法として外科手術によるCRTがあります。また外科手術では心エコー法などで特定した至適部位に逢着可能という利点もあります。外科手術単独方法もあれば経静脈法と外科手術のhybrid方法も存在します。また弁疾患や虚血に対する心臓手術の際に同時に行うことも可能です。
外科手術を用いた両室ペーシングはあくまでも特殊な状況においてCRTを完結させるための一つの方法ですが、問題点も存在します。今回のワークショップでは、その問題点について討論したいと思います。
ワークショップ3 |
庄田 守男 | 東京女子医科大学 循環器内科 | |
今井 克彦 | 広島大学病院 心臓血管外科 | |
近年の植込み型心臓ペーシングデバイス治療はペースメーカーからICDやCRTDに拡大し、重症患者に複雑なシステムが挿入されることに起因してデバイス感染発症率が増加している。また、ペースメーカーにおいても、長期使用に伴うデバイス交換が契機となり感染症発生の頻度増大が問題視されている。2010年リード抜去用エキシマレーザーシース保険償還、2011年リードロッキングツールの保険償還後は、それまでに行われていた保存的治療や開心術によるリード抜去手術に代わり経皮的リード抜去手術が台頭し、デバイス感染治療は変革の時期を迎えている。今回のワークショップでは、デバイス感染症の現状を明らかにし、その治療法の実際と問題点を論ずる。
トラブルケースカンファレンス | 公募 |
森本 大成 | 大阪医科大学外科学講座 胸部外科 | |
副島 京子 | 杏林大学医学部 循環器内科 | |
第4回植込みデバイス関連冬季大会で企画された「トラブルケースカンファレンス」はご参加いただいた多くの先生方から好評価をいただきました。第5回大会においても大会長である中島博先生のご配慮により第2回目のトラブルケースカンファレンスのセッションを企画していただきました。
デバイスにおけるトラブルの原因には、植込み手術に関連するもの、設定や機能に関連するもの、電磁干渉(EMI)など外部からの影響に関連するもの、さらにはデバイス植込み患者に対するinformed consentやデバイス植込み患者に伴う社会的な問題に関連するものなど様々なものがあります。プログラマー上での対応で解決できる場合は植込み患者に大きな不利益をもたらすことはありませんが、植込み手術に関連するものは植込み患者の不利益につながります。またデバイス植込みの適応、植込みの方法やそれに伴う合併症、EMIや植込み後の生活に関連する問題などについては他の疾患の治療や手術以上に詳細なinformed consent を行わないと、説明不足からくる植込み患者とのトラブルもあり、お互いの信頼関係に大きな問題が生じます。
我々が取り扱っている植込みデバイスは、患者にとっては生涯共にするものであり、一旦植込んでしまうとよほどのことでない限り取り出すという選択肢は存在しません。よってできるだけトラブルを起こさないようにする必要があります。すでに解決済みのトラブルもありますが、未だに解決していないものや減少していないトラブルが存在するのも事実です。そこで昨年同様にデバイス植込みで起こりうるトラブルを出し合い、トラブルを起こさないようにするにはどうすればよいか、起こった場合どのように対処すればよいかについて討論したいと思います。
ワンポイントレクチャー |
水谷 登 | 愛知医科大学 循環器内科 | |
中井 俊子 | 日本大学医学部 内科学系循環器内科学分野 |
四倉 昭彦 | 北光記念病院 循環器科 |
野呂 眞人 | 東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科 | |
デバイスの設定は簡単ではない。工場出荷設定のままの使用や、安易な設定変更はむしろ健康被害を及ぼす可能性もある。設定の妥当性を確認するにはペースメーカ心電図を理解していなければならない。また、ICDの設定はさらに注意が必要で、誤った設定が患者の生命を脅かすことに直結する。このセッションでは、四倉先生にはペースメーカ心電図を理解する上で必要な知識を整理して頂き、また野呂先生にはICDの設定で陥りやすい間違いを解説して頂く。
デバイス患者・失神患者の社会的問題 |
安部 治彦 | 産業医科大学医学部 不整脈先端治療学講座 | |
渡辺 重行 | 筑波大学 水戸地域医療教育センター |
荻ノ沢 泰司 | 産業医科大学 第二内科学 | |
渡辺 重行 | 筑波大学 水戸地域医療教育センター | |
住吉 正孝 | 順天堂大学医学部附属練馬病院 循環器内科 | |
植込み型デバイス治療を受ける患者は年々増加しているが、それらの患者は一生涯に渡り医療機関で定期的なフォローを受けることになる。そのため患者の日常生活や就労上での種々の相談を受けることは少なくない。我々不整脈治療に携わる医師には、これらデバイス患者の持つ不安を解消し、QOLを低下させることなくきちんとフォローし、正しく指導する責務がある。法律やガイドラインに基づかない個人的な考えによる患者指導は、患者のみならず社会の安全に対して脅威となり、間違いを引き起こすことに繋がる。
デバイス患者及びその家族の不安の一つに、死後の遺体火葬に関する問題が上げられる。死後植え込まれたデバイスを取り出さないと火葬してもらえないのではないか、自分の担当医師は果たして取り出してくれるのか、なども大きな心配事である。社会問題対策委員会では、火葬の全国実態調査を行ったので、その調査結果を報告し、本件に関する今後の対策に繋げていきたいと考えている。
デバイス患者及び失神患者にとって自動車運転制限は、就労を含めたQOL低下の大きな要因の一つになっている。2013年度に警察庁は、「特定の病気等による自動車運転免許制度改正」を同年夏を目処に法改正を行う予定である。本学会員にも大きく関与するため、その法改正の概要について解説する。また、失神患者の自動車運転制限に関しては、日本循環器学会「失神の診断・治療ガイドライン改訂版」で大まかではあるが運転制限の概要について述べられている。しかし日常診療において、そのガイドラインの実際の運用は簡単ではなく、ガイドラインの解釈にも困難を伴うのが実情である。社会問題対策委員会では、ガイドラインの主旨に沿った患者指導が出来るようにその運用指針を作成したので、ぜひ今後の患者への教育や助言に役立たせてほしい。
共催セミナー(シンポジウム) |
須賀 幾 | 自治医科大学附属さいたま医療センター 循環器科 | |
夛田 浩 | 福井大学医学部 病態制御医学講座 循環器内科学 | |
CRTは最新のガイドラインに従って植込みを行っても、すべての症例がresponderになるわけではない。Responderになるかどうかは、その定義や評価方法によっても異なる。CRTが十分な効果を発揮しうるかは、適切な患者選択が行われているか、その患者にCRT効果を最大化する手技が行われているか、リモデリングが非可逆的に進行していないか、デバイス設定が最善の状態であるか等によって複合的に決まるものである。本セッションでは、CRT適応症例を評価するうえでより効果的な方法、簡便かつlogicalなデバイス設定の至適化法に関する2題の講演の後に、より効果的にCRTを行ううえで考慮すべきさまざまな条件をCRTのエキスパートとともに討議する機会としたい。
イブニングセミナー |
新田 隆 | 日本医科大学 心臓血管外科 | |
安部 治彦 | 産業医科大学医学部 不整脈先端治療学 | |
国内では、年間6万人以上もの心原性院外心肺停止患者が発生していることが知られている。心臓突然死発生の90%以上は徐脈性あるいは頻脈性不整脈によると考えられるが、その原因疾患の詳細は明らかでないものの、虚血性心疾患がその大部分を占めているのではないかと予測されている。デバイス関連冬季大会では毎回心臓突然死シンポジウムを開催し、これまで国内で発生する心臓突然死の実態やその予防のためのICD治療の現状について検討を重ねてきた。今回の心臓突然死シンポジウムでは、虚血性心疾患を原因とする心臓突然死に焦点を絞って討論したい。即ち、1)虚血性心疾患による亜急性期(発症1ヶ月以内)での致死性不整脈発生の現状と管理、2)慢性期に発生する致死性不整脈の予知と予防対策、3)我が国における虚血性心疾患患者でのICD治療の現状や欧米との比較などを取り上げ、現状把握と今後の対策に活かせればと考えている。
CDRセッション |