10日 11日 12日 座長一覧
2月10日(金)
10:00〜16:00 セミナー    
12:20〜13:20 ICD/CRT ランチョンセミナー 共催:日本メドトロニック(株)
ショックリダクションを考える ―その作動は本当に必要か?―
座長 栗田 隆志 近畿大学医学部循環器内科
18:00〜19:00 特別セッション    
ICD治療とDr. Mirowski〜米国・日本の結びつき〜
座長 奥村 謙弘前大学医学部循環呼吸腎臓内科学
演者 David S. Cannom The Good Samaritan Hospital, Los Angeles, USA

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2月11日(土)
  一般演題    
  ポスターセッション    
9:00〜10:30     公募
トラブルケースカンファレンス
座長 森本 大成大阪医科大学外科学講座胸部外科
  副島 京子 杏林大学医学部付属病院循環器内科
概要
    植込みデバイスのトラブルには、植込み手術に関連するもの、デバイス自体の設定や機能に関連するもの、電磁干渉(EMI)など外部からのデバイスへの影響に関連するもの、さらにはデバイス植込み患者に対するinformed consentやデバイス植込み患者に伴う社会的な問題に関連するものなど様々な原因が考えられる。なかでもデバイスの設定や機能に関連するものはプログラマー上での対応で解決できるものがほとんどで、植込み患者に大きな不利益をもたらすことは少ないが、植込み手術に関連するものは植込み患者の不利益になることが多い。またデバイス植込みの適応、植込みの方法、植込みに伴う合併症、デバイスに対するEMIや植込み後の日常ならびに社会生活に関連する問題などについては他の疾患の治療や手術以上に詳細なinformed consent を行わないと、説明不足からくる植込み患者とのトラブルもあり、お互いの信頼関係に大きな問題が生じる。
    我々が取り扱っている植込みデバイスは、患者にとっては生涯共にするものであり、一旦植込んでしまうとよほどのことでない限り取り出すという選択肢は存在しない。したがってできるだけトラブルを起こさないようにしてあげる必要がある。
    そこでこの機会にデバイス植込みで起こりうるトラブルを出し合い、トラブルを起こさないようにするにはどうすればよいか、起こった場合どのように対処すればよいかについて討論したいと思う。

演題応募時に、「トラブルケースカンファレンス」セッションへの応募の有無を選択してください。 本セッションでは、デバイス植込み術中・術後およびフォローアップ時に発見されたトラブルケース、あるいはデバイス植込み後に発生したトラブル症例を提示してもらい、座長及びコメンテーターとともに適切な対応策や対処法について討論することを目的としています。奮ってご応募下さい。

10:00〜12:00 教育講演1    
心臓突然死の現状(PartⅡ)
座長 新田 隆日本医科大学心臓血管外科
  安部 治彦 産業医科大学不整脈先端治療学
12:10〜13:10 ランチョンセミナー1 共催:バイオトロニックジャパン(株)
ECOST trial results:Optimizing patient management with Home Monitoring Reducing inappropriate shocks and improving battery longevity
座長 中里 祐二順天堂大学医学部附属浦安病院循環器内科
12:10〜13:10 ランチョンセミナー2 共催:日本ライフライン(株)
房室伝導とAV delay
座長 奥村 謙弘前大学大学院医学研究科循環呼吸腎臓内科学循環器内科
12:10〜13:10 ランチョンセミナー3 共催:トーアエイヨー(株)
ICD頻回作動(ICD storm)をいかに治療するか
座長 荻ノ沢 泰司産業医科大学循環器内科
12:10〜13:10 ランチョンセミナー4 共催:ノバルティスファーマ(株)
インクレチン関連薬の抗動脈硬化作用― beyond glucose ―
座長 藤本 良士新小倉病院糖尿病センター長
13:20〜14:50 パネルディスカッション1    
失神の鑑別診断:EPSが先か、ILRが先か?
座長 西崎 光弘横浜南共済病院循環器内科
  丹野 郁 昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
概要
    循環器疾患における日常診療では、失神を主訴とする患者にしばしば遭遇するが、しばしばその鑑別診断に苦慮する場合がある。特に、失神は循環器疾患における一症状ではあるが、心イベントの前駆症状として極めて重要な症状であるため、原因疾患を確定診断することは、心臓突然死予防につながる。
    近年失神の診断的検査としてILRの有用性が示され、ESC guidelines においても、不整脈検出や反射性失神の診断に高く推奨されている。一方、病歴や 12誘導心電図などによる初期評価に加え、Head-up tilt含めた非観血的検査を行っても診断困難な例では、EPSが一般に必要とされてきた。しかし、基礎疾患や心機能の程度により、発作性の徐脈および頻脈性不整脈の診断におけるEPSの有効性の報告は一定していない。
    今回、失神の鑑別診断に難渋する症例に対し、多くの臨床医が検査の選択に直面する「EPSが先か、ILRが先か」をテーマとしてパネルセッションで議論したい。
13:20〜14:50
植込みデバイス手術手技の実際
座長 野呂 眞人東邦大学医療センター大橋病院循環器内科
  中井 俊子 日本大学医学部循環器内科
概要
植込みデバイスは徐脈性不整脈に対するペースメーカにはじまり、その機能を拡張させることで、頻脈性不整脈に対して植込み型徐細動器(ICD) が開発され、心臓突然死の予防が可能となった。さらに、薬物抵抗性心不全に対して、心臓再同期療法 (CRT)、両室ペーシング機能付き植込み型徐細動器(CRT-D) が開発され、多くの心不全死や突然死の予防が可能となった。これらのデバイスは、近年の大規模試験の結果により、従来の概念が覆され、日々、機能、植込み部位、植込み方法が進化している。ICDの検討から、右室心尖部での心室ペーシング率が上昇すると、心機能を悪化させることが明らかにされた。その理論の根底には、幅広いQRS波が心不全を惹起する一連の経緯があり、これを是正するCRTの原理が存在する。また、逆にICD、CRTの検討から、ペースメーカの心室リード留置部位の検討や心室ペーシング抑制のアルゴリズムが開発された。このように、各種デバイスは相互関連の中で影響し合い、その概念から、植込み手技までもが変化してきている。近年、軽症心不全に対するCRTの有効性が示され、その需要はますます増加しつつある。しかし特にCRT / CRT-Dはペースメーカ、ICDに比べ植込み手技も複雑であり、当然のことであるが対象が高度な低心機能症例であるため、心不全増悪の危険を避けるべく手術手技は要領よく速やかに、より短時間に行うことが要求される。このセッションでは、デバイス植込み手技に関して、その基礎から応用までを検討し、明日からの植込みに役立つ情報を提供したいと考えている。
14:50〜15:50
ペーシングリードの特性と選択
座長 中里 祐二順天堂大学医学部附属浦安病院循環器内科
  中島 博 板橋中央総合病院心不全・不整脈科
概要
    デバイス治療において、急性期から慢性期まで安定した治療効果を得るためには、個々の病態に応じた機種選択のみならず適切なリードの選択が不可欠である。最近のデバイス治療の適応拡大とともにリードの選択も多様化してきている。残念ながら、リードの選択は機種の選択と比較して重要視されておらず、しばしば機種と同一メーカーのリードが安易に選択されている。安全で確実な治療を行うためには術者が使用する最適なリードを選択し、また選択したリードの特性を十分に理解して手技に望む必要があることは論をまたない。しかし、リードの特性が話題に大きく取り上げられることは少なく、また選択方法についても議論が尽くされたことは無い。
    本セッションでは、古典的ではあるが今なお重要なテーマであるハード面(材質、形状、極性等)からみたリード選択の基本的考え方、機能的な側面からはセンシング特性、ペーシング特性からみたリード選択について、また進歩が著しく新たな局面を迎えているICDリード・左室リードなどに関する選択の現状について、そして最後に実際の植え込みに際し左上大静脈遺残や特殊な状況下での留置困難例に遭遇した場合のリード選択法にスポットをあてて、総合的なディスカッションを行いたい。
15:00〜16:30
MEセッション
座長 綿引 哲夫横浜市立脳血管医療センター臨床工学室
  佐藤 邦昭 熊本大学医学部附属病院ME機器センター
概要
    近年、植込みディバイスの飛躍的な技術向上、植込み手技、フォローアップの向上により、高年齢の植込み患者が増えてきた。また、患者の高齢化に伴い合併症を併発することも多くなってきているのが現状である。そこで今回のMEのセクションでは、従来のペースメーカでは原則禁忌だったMRI検査を受けるために、新しく開発されたディバイスシステムについて、Medtronic社の砂川和彦先生に「MRI対応に関する基礎知識」と題してシステムの概要、使用方法、今後の展望について講演を頂く。また、それに伴い臨床工学技士がディバイス業務として行なう患者指導の中でスマートキーシステム等の新しい電磁障害等も出ている為に「新たな電磁障害の種類と対応」と題して日本不整脈学会・顧問の豊島健先生に日常生活で注意すべき点、就労、就学等における配慮すべき点、その対処方法について講演を頂く予定である。次にディバイス植込み患者の一面として心理面でのケアも重要である。患者の内面的症状を理解して治療に当たらなければいけないことから「ディバイス患者のメンタルヘルスケアの現状と対処」と題して杏林大学副島京子先生に講演を頂く。最後に高齢者は身体の老化に伴い不慮の転倒・転落が頻繁に起きており、安全性を考慮して治療を行なわなければならないことが現状である。そこで「手術・外来フォロー時の高齢者ディバイス患者への配慮と工夫」と題して産業医科大学河野律子先生に講演を頂き、安全な配慮の方法や工夫を紹介して頂く。以上の内容でMEセクションを構成して、現在ディバイス業務を行っている施設の臨床工学技士のために経験豊富な先生方の貴重な講演が、明日からの安全で良質な医療の提供が出来る環境の礎になってほしい。
15:50〜16:50
デバイス患者の基本設定を考える
座長 三橋 武司自治医科大学循環器内科
  荻ノ沢 泰司 産業医科大学第二内科学
概要
欧米のある有名な先生の講演でデバイス交換あるいは取り出し時に半数以上が初期設定のままであったというのを聞いたことがある.近年のデバイスは自動診断機能を有し,さらに設定変更も一部は自動的に行われることが可能になってきた.これらの発達は電池寿命の延長,ヒューマンエラーの減少などに有効なことは明らかである.しかしその一方で器械が行うことには限界があり,より有効な活用が必要である.ペースメーカーでは右室心尖部ペーシングの弊害,ICDでは不適切ショック作動が患者の予後を悪化させることも知られるようになり,これらをいかに減らすかは医師,技師の腕の見せ所といえる. 今回のセミナーは患者の予後だけではなくQOLの改善も目指したデバイスの基本設定をもう一度考える機会を作りたいと思い企画した.ペースメーカー,ICDの基本的な設定をできるだけ具体的な症例を元にみんなで考えてみたいと思う.
16:30〜17:30
不整脈専門医制度の概要と展望
「学会認定不整脈専門医制度について―何故、専門医制度が必要か?―」
座長 松本 万夫埼玉医科大学国際医療センター心臓内科
演者 小林 義典 東海大学医学部付属八王子病院循環器内科
概要
    日本不整脈学会と日本心電学会は、2学会合同で学会認定不整脈専門医認定制度を立ち上げ、2012年度から専門医資格認定を開始する予定である。これに先立って、昨年9月から研修施設申請の受け付けを開始しており、本研究会が開催される頃には研修施設一覧が学会HP上に公開されているはずである。
    さて昨今、厚生労働省と専門医評価・認定機構は専門医制度改革に着手している。本邦に数ある専門医制度の問題点として、各学会での専門医認定基準にばらつきがあり、また広告条件を満たさない団体が専門医を認定していることなどが挙げられている。これらの格差を是正すべく、厚労省から各専門医制度に対して中立的第三者機関が客観的な評価を行うようにとの通達がなされた。ここで第三者機関とは日本専門医制評価・認定機構に当たると考えられるが、機構では近年3階構造式の専門医制度、すなわち基幹領域(例:内科学)、第一次専門領域(Sub-speciality領域、例:循環器学)の下流に存在する専門領域(Sub-sub speciality領域)の加盟申請を受領しない方針を明らかにしている。
    そもそも専門医制度というのは、国民が専門的な知識や技術を迅速かつ適正に享受できるように、領域分野別に一定の基準を満たした医師や施設が認定される制度であり、より細分化した領域で生かされるべきものである。近年の医療の発展によりSub-speciality領域の専門医が、すべてのSub-sub speciality領域に関する最先端の知識や技術をある一定レベル以上に習得することは不可能と考えられることから、この機構の方針が維持されれば、真にニーズの高い専門医情報が提供されないことにも繋がる。
    本セッションではこのような状況の中で、何故いま専門医制度を確立する必要があるのか考察したい。
16:50〜18:20
デバイス患者の心電図を知る
座長 中島 博板橋中央総合病院心不全・不整脈科
  石川 利之 横浜市立大学附属病院循環器内科
概要
    デバイスの機能がいくら進歩しても、それを使いこなすことができなければ意味が無い。デバイスの機能の急速な進歩とともに、デバイス患者の心電図を適切に判断することは、時に困難なものになっている。問題を認識し適切に対応するためには、デバイス患者の心電図を正しく判読する必要があるが、必ずしも容易なことではない。そのためには、デバイスの機能と設定について熟知する必要がある。研究発表の場としての日本不整脈学会学術集会とは別に、日本不整脈学会デバイス関連冬季大会が開催されるようになった目的の一つとして、デバイス治療の基本的知識を整理する機会を提供することが挙げられる。各演者にはデバイス患者の心電図判読に必要な知識を解説していただく。この企画がデバイス治療を行うすべての医療関係者にとって有益なものになることを期待している。
17:30〜18:30 イブニングセッション 共催:旭化成(株)  
ILR診断の実際 〜心電図データから判ること〜
座長 丹野 郁昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門

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2月12日(日)
  一般演題    
  ポスターセッション    
9:00〜11:00 CDR-JHRSジョイントセッション    
CDRが経験したトラブルケースを考える
座長 野上 昭彦横浜労災病院不整脈科
  石川 利之 横浜市立大学附属病院循環器内科
概要
    急速な進歩とともに高度かつ複雑になったデバイスの設定に関して、問題を認識し適切に対応することは、必ずしも容易なことではない。デバイスの機能がいくら進歩しても、それを使いこなすことができなければ意味が無い。一方、すべてのメーカーのデバイスの機能に精通することは極めて困難な状況にある。そのためCDRとデバイス治療を行う医師のパートナーシップが重要と思われる。
    これまで、日本不整脈学会学術大会においてCDRセッションが設けられてきた。日本不整脈学会植込みデバイス関連冬季大会が開催されるようになり、そこにおいても同様のCDRセッションが企画されてきた。日本不整脈学会学術大会とは別に日本不整脈学会植込みデバイス関連冬季大会が開催されるようになった趣旨に則り、今回は趣向を変えてCDR-JHRSジョイントセッションを企画した。CDRより提示されたトラブルケースに関してCDRとデバイスに精通した医師の間で討論、検討を加え、デバイスのより良い設定を考えていくという試みである。フロアからも積極的に参加して頂きたい。そして、このセッッションがCDRとデバイス治療を行う医師の双方に有益なものになることを期待している。
9:00〜10:00
デバイス登録制度と多施設研究:JCDTR及びNIPPON Storm試験
座長 清水 昭彦山口大学大学院医学系研究科保健学系学域
  栗田 隆志 近畿大学医学部循環器内科
10:00〜11:30
植込みデバイス患者の感染と管理
座長 庄田 守男東京女子医科大学循環器内科
  今井 克彦 広島大学病院心臓血管外科
概要
    近年、徐脈性不整脈に対するペースメーカーのみならず、致死性心室性不整脈のICD、心不全治療のCRTなど、心臓植込み型デバイスの植込み件数は増加の一途であるが、その一方でデバイス感染は大きな問題になりつつある。最近のガイドラインでは、菌血症や感染性心内膜炎を併発していないポケット感染に対してもリードを含む全てのシステム除去が推奨されているにもかかわらず、日本ではリード抜去ツールの導入が遅れていたために姑息的な手術か侵襲が大きい開心術かを選択しなければならない時代が続いていた。しかし、今年度にはリード抜去用エキシマレーザーシース、ロッキングスタイレットが保険償還され、我が国でも経皮的リード抜去手術の土壌が整備され始めている。
    本セッションでは、デバイス感染の発生状況、抗生剤治療、全デバイス摘出術(経皮的、外科的)、再植込みのタイミング、感染の予防法などについて、内科医、外科医、感染症専門家の立場から幅広い視野で考えてみたい。
11:00〜12:30 パネルディスカッション2    
デバイス患者の遠隔モニタリングの現状と課題
座長 阿部 芳久秋田県成人病医療センター循環器科
  木 雅彦 大阪市立大学大学院医学研究科循環器病態内科学
概要
    本邦にCIEDs(Cardiac Implantable Electronic Devices)の遠隔モニタリングが導入されてから数年が経過した.この間,新規メーカーの参入,有線から無線へのテレメトリー方法の進化,従来の電話回線からモバイルへの通信手段の革新,通院回数の減少のみならず心不全管理への応用,指導管理料の保険召還など,その進歩は著しい.しかし,メーカーによりモニタリング方法が異なる,利用可能なCIEDsと不可能なものが混在する,施設により関与する職種や役割分担に差がある,アラート送信時の緊急対応への不安,遠隔モニタリングと対面診療との適切な保険請求の組み合わせが分からないなど,未だに問題点も多いのが現状である.
    それぞれの施設の在り方にあわせた遠隔モニタリングの運用方法を確立することが重要であり,現在のところ正解があるわけではない.そこで本セッションでは,積極的に遠隔モニタリングに取り組んでいる施設からパネリストを迎え,実際の運用方法を知ることによって現状を把握するとともに問題点を抽出したい.本システムの導入を躊躇している,導入を予定している,または導入はしたもののその運用にとまどっている施設において,医師,臨床工学技士,看護師など,CIEDs治療に関わる全てのスタッフに役立つ内容にすべくプログラムを作成する.
11:30〜12:30
社会的問題:失神・てんかん・ICD患者の自動車運転
座長 住吉 正孝順天堂大学医学部附属練馬病院循環器内科
  渡辺 重行 筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院循環器科
概要
    ICDなどデバイス植込み患者の自動車運転は、平成13年の道路交通法の改正、翌年の同法施行令の改定と警察庁交通局運転免許課長通達に沿って、許可あるいは停止されており、日本不整脈学会、日本循環器学会、日本胸部外科学会合同の検討委員会が「不整脈に起因する失神例の運転免許取得に関する診断書作成と適性検査施行の合同検討委員会ステートメント」を平成15年に発表、その具体的運用に関する指針を示した。同指針は平成22年7月改訂され、一次予防ICD適応患者の新規植込み後および交換後の観察期間が短縮された。
    現在までの所、ICD植込み患者の交通事故の報告は警察庁には1例も上がっていないが、実際には事故を初めとするトラブルの発生が水面下に存在しうる。平成23年4月には、栃木県でてんかん患者が大型クレーンを運転し、運転中の発作により登校児童の列に突っ込んで小学生6名を死亡させた痛ましい事件が発生した。
    失神の原因として最も多い神経反射性失神においても運転中に発症する例があり、重大な交通事故の原因となる。このような重症例に対する運転再開について、本邦およびESC(2009)のガイドラインでは「症状がコントロールされるまで不可」と記されているが、具体的な期間等の基準は示されていない。
    本セッションでは、これらデバイス植込み患者をはじめ、失神、てんかんを有する患者の自動車等の運転の規制やその現状、教育・啓蒙の実態や患者の抱える問題点などを、広く論じていきたい。
12:40〜13:40 ランチョンセミナー5 共催:日本メドトロニック(株)
Select Site Pacing-Now and Future
座長 清水 昭彦山口大学大学院医学系研究科保健学系学域
12:40〜13:40 ランチョンセミナー6 共催:ボストン・サイエンティフィックジャパン(株)/ フクダ電子(株)
心拍変動は必要か,健常人と低心機能症例における違いはあるのか
座長 真中 哲之東京女子医科大学循環器内科
13:50〜15:50 教育講演2    
CRTの評価はどう行う?
座長 青沼 和隆筑波大学大学院人間総合科学研究科循環器内科
  尾辻 豊 産業医科大学第二内科学
概要
    CRTの評価は様々な方法があり、生存・自覚症状・左室駆出率・左室収縮末期容積減少等により評価される。これらには多少の違いはあるが、特に問題はないものと考えられる。しかし、CRT後のQRS幅短縮が必ずしも臨床的な改善と正比例しないのが問題となっている。今後何を持ってresponderとするかの基準が再考されるべきであろう。
    さらに問題は、CRT効果の予測であり、これにはQRS幅が最も良く用いられている。しかしながらQRS幅を用いて症例を選択しても3割はnon-responderとなる問題が残っている。QRS幅は電気的なdyssynchronyを見ており、機械的なdyssynchronyを見れる心エコーを用いるとより良好なresponderやnon-responderの予測ができると期待された。当初はYu-indexに代表される心エコーの機械的なdyssynchronyによりCRTの効果を予測できるとの報告が相次いだが、データの再現性等に疑問の声があがっていた。そして多施設での検討により心エコー指標ではCRT効果を予測できないことが確認された。Optimizationにより有効性を高めることができるとの報告もあるが、これでは効果がないとの報告もあり、Optimizationに関しても疑問がぬぐえない。この様な混沌とした状況の中で、どの指標がnon-responderの識別に効果的であるかの方向性を探る必要がある。
    本教育講演では、このような現場の疑問に答えをあるいはヒントをいただけるような発表を期待したい。
13:50〜14:50
心房性不整脈と心房ペーシング
座長 井川 修日本医科大学多摩永山病院内科・循環器内科
  畔上 幸司 横浜市立みなと赤十字病院心臓病センター内科
概要
    近年、ペーシング治療分野では、心房ペーシングによる心房性不整脈、とりわけ心房細動抑制のためにさまざまな取り組みが行われている。心房細動成立には、①心房内伝導遅延、②心房筋不応期の短縮とそのばらつきの拡大などの因子が考慮される。このため、ペーシング治療による心房細動抑制には、それらの因子を除去するペーシングが求められる。
    現在、心房ペーシングではペーシング部位を工夫することで①の因子を除去(心房内伝導遅延を改善)し、心房細動を抑制する試みが行われているが、P波幅の短縮を可能とするさまざまなレベルでの心房間中隔ペーシングが検討されている。さまざまな施設でさまざまな考え方のもとにバッハマン束近傍、高位心房中隔、低位心房中隔などを含め、ペーシング部位が選択されている。また、P波幅延長は認められるものの有用性を十分認識し、あえて従来の右心耳ペーシングを行っている施設も決して少なくない。
    本シンポジウムでは、心房性不整脈を抑制する心房ペーシング部位としてどの領域を選択すべきか?その領域を選択するに至った考え方は? とりわけ、ペーシング部位として心房間中隔を選択した場合、それぞれのレベルでのペーシングリード留置部位をX線透視下にどのように認識しているか?など、日常臨床で悩む部分のディスカッションを行いたい。
16:00〜17:00   共催:フィデスワン  
長時間イベントレコーダーの有用性
座長 熊谷 浩一郎福岡山王病院ハートリズムセンター

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