〜 2011年02月 第2回 〜中里 祐二(順天堂大学浦安病院循環器内科)
Q.68歳の男性。失神発作を主訴に来院した。心電図で完全房室ブロックを認めたため、緊急で人工ペースメーカーの植込み手術を受けた。植込み後の心電図所見を示す。 以下の所見で正しいのはどれか、該当するものをすべて選びなさい。
Q.68歳の男性。失神発作を主訴に来院した。心電図で完全房室ブロックを認めたため、緊急で人工ペースメーカーの植込み手術を受けた。植込み後の心電図所見を示す。
以下の所見で正しいのはどれか、該当するものをすべて選びなさい。
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【解答】
b. 心室をペーシングしている
d. 自己心房波を感知している
e. 自己心室波を感知している
【解説】
主要心電図所見:
1) P波を感知している。
2) P波に同期して心室がペーシングされている(刺激スパイクがQRS波の前にある)。
3) 胸部誘導3拍目に自己QRS波が出現、これを感知しペーシングはリセットされている。
心電図は心房同期型心室ペーシング(DDDモード)であり、自己心房波(P波)に同期し、一定の房室伝導時間で心室刺激スパイクが出され、ペーシングによるQRS波が認められている。この例では設定された最小心拍数より心房レートが速いため心房は感知され、ペーシングは行われていない。一方、同期したP波のあと一定の間隔で心室がペーシングされている。自己QRS波の出現時は、心室チャネルでこれを感知し、ペーシングのタイミングはリセットされている。