〜 2011年02月 第1回 〜中里 祐二(順天堂大学浦安病院循環器内科)
Q.17歳の男子高校生。学校検診で心電図異常を指摘され、精査のため来院した。部活はバスケット部で中心選手である。自覚症状はない。 心電図診断はどれか、該当するものを選びなさい。
Q.17歳の男子高校生。学校検診で心電図異常を指摘され、精査のため来院した。部活はバスケット部で中心選手である。自覚症状はない。
心電図診断はどれか、該当するものを選びなさい。
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【解答】
b. 第2度Wenckebach型房室ブロック
【解説】
主要心電図所見:
1) PQ間隔の漸次延長
2) 肢誘導第4拍目、胸部誘導第3拍目でのQRS波脱落
心電図は洞性P波を認めるが、PQ間隔が徐々に延長しており、肢誘導第4拍目、胸部誘導第3拍目ではQRS波が脱落している。このようにPQ間隔が漸次延長し、最終的にQRS波の脱落をともなうものが第2度Wenckebach型房室ブロックである。若年者、スポーツ選手などは副交感神経過緊張になりやすいため、房室結節における第1度、第2度Wenckebach型の機能的房室ブロックがしばしば認められる。運動や労作では伝導比が改善するため病的意義は少ない。