〜 2011年01月 第2回 〜山科 章(東京医科大学第二内科)
Q.59歳の男性。生来健康であるが、健診で不整脈を指摘され受診した。以前から、自分で脈をみるとしばしば抜けるので気にはしていた。身体所見では脈不整のほか異常はない。 心電図診断はどれか。該当するものをすべて選びなさい。
Q.59歳の男性。生来健康であるが、健診で不整脈を指摘され受診した。以前から、自分で脈をみるとしばしば抜けるので気にはしていた。身体所見では脈不整のほか異常はない。
心電図診断はどれか。該当するものをすべて選びなさい。
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【解答】
a.心房期外収縮、c.変行伝導、e.三段脈
【解説】
まず目に付くのは3拍に1度出現する幅の広いQRSである。V1でrSR’、V6で幅の広いS波を認め完全右脚ブロックの波形であるが、予定より早期に出現しており、よくみると先行するT波はそうでないT波と波形が異なっている。T波の頂点が尖鋭化しており、そこに心房期外収縮によるP波が重なっていることがわかる。したがって、この幅の広いQRSは心房期外収縮に伴う変行伝導である。一般的に右脚の方が左脚より不応期が長く、右脚ブロックの形を示すことが多い。1個の正常収縮に1個の期外収縮が続く場合を二段脈、2個の正常収縮に1個の期外収縮が続く場合を三段脈という。