〜 2011年01月 第1回 〜山科 章(東京医科大学第二内科)
Q.82歳の男性。1週間前にめまいが一度あり、そのころから労作時の息切れを自覚するようになった。心電図診断はどれか。該当するものをすべて選びなさい。
Q.82歳の男性。1週間前にめまいが一度あり、そのころから労作時の息切れを自覚するようになった。心電図診断はどれか。該当するものをすべて選びなさい。
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【解答】
a.正常洞調律、d.第2度房室ブロック(2:1伝導)
【解説】
ポイントはすべてのP波をみつけることである。QRSの前のP波は容易に分かる。その二つのP波の中間を捜すと、もうひとつのP波がT波の終末部に重なってあるのがわかる(V1誘導が分かりやすい)。P波の形は正常で、70/分のレートで規則的に出現しており(正常洞調律)、心室へは2:1で伝導する第2度房室ブロックであることが分かる。第Ⅱ度房室ブロックにはPQ時間が徐々に延長してQRSが脱落するWenckebach型と、PQ時間の延長なく突然QRSが脱落するMobitzⅡ型の2種類があるが、2:1伝導なので区別がつかない。PQ時間は0.3秒と延長しているが、第2度房室ブロックがあるので第1度房室ブロックとはいえない。