心電図クイズ

〜 2010年10月 第1回 〜山下武志(財団法人心臓血管研究所)

Q.60歳男性。無症状。健康診断で心電図異常を指摘され受診した。受診時の心電図を示す。診断は何か?あてはまるものをすべて選べ。


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  • a. 正常
  • b. 第I度房室ブロック
  • c. 完全右脚ブロック
  • d. 右軸偏位
  • e. 左軸偏位
解答と解説(クリックで開きます)

【解答】
c. 完全右脚ブロック
e. 左軸偏位

【解説】
主要心電図所見
1)正常洞調律
2)左軸偏位
3)完全右脚ブロック

第II誘導でのR波よりS波が深く、左軸偏位である(ちなみに第I誘導でR波よりS波が深い場合は右軸偏位)。V1誘導はM型で右脚ブロックを呈している。左軸偏位は左脚前枝ブロックを意味している。右脚と左脚前枝の二束に障害があると考えられ、二束ブロックと呼んでいる。健康診断で時に見られる所見で必ずしも病的な所見とはいえない。
 なお、V5 誘導のR波高は3 mVと高電位差を認めるが、この所見だけでは左室肥大があるとはいえない(ST-T変化を伴う場合を左室肥大と考える)。ただし、本例ではaVL、V5、V6誘導のq波幅が広く、心室中隔に何らかの病変(肥大・線維化など)がある可能性は否定できない。