〜 2010年9月 第1回 〜 新 博次 (日本医科大学多摩永山病院循環器内科)
Q.58歳男性。心筋梗塞の既往あり(左室駆出率26%)。持続性心房細動による心機能低下を繰り返すため、心房細動予防を目的に抗不整脈薬を使用した。投与開始後、約2年経過したころから咳嗽が出現するため来院。心電図所見で正しいものはどれか。全て選べ。
Q.58歳男性。心筋梗塞の既往あり(左室駆出率26%)。持続性心房細動による心機能低下を繰り返すため、心房細動予防を目的に抗不整脈薬を使用した。投与開始後、約2年経過したころから咳嗽が出現するため来院。心電図所見で正しいものはどれか。全て選べ。
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【解答】
全て
【解説】
心拍数50/分、PR間隔0.210 sec、QRS幅0.110 sec、QT間隔0.500 sec.でありPR(僅か)、QRS(僅か)、QTが延長している。また、V4,5ではR波の減高あり。I、Ⅱ、V6では僅かながらSTは低下している。本例は心房細動予防を目的にアミオダロンの投与を受けているが、そのためQT延長が見られる。この心電図のみからでは、QT延長以外の所見がアミオダロンの作用によるものとは言い切れない。本例の咳嗽はアミオダロンの副作用である間質性肺炎によるものであった。