〜 2010年3月 第2回 〜山下武志(財団法人心臓血管研究所)
Q.60歳、男性。労作時息切れを主訴に受診。胸部レントゲンで心胸郭比65%。 該当するもの、および可能性の高い疾病をすべて選べ。
心電図では左脚ブロックを呈し、QRS時間は0.20秒と著明に延長している。注意すべきことは、I、aVL誘導で0.04秒以上のQ波を伴っていることである。左脚ブロックでは通常心室中隔は右側から左側に興奮するために、I、aVL誘導でq波が生じないことがその特徴とされている。つまり、この心電図所見はQRS時間の著明な延長も含めて、左脚以外にも広範な障害を考慮しないと説明できない。
Q.60歳、男性。労作時息切れを主訴に受診。胸部レントゲンで心胸郭比65%。
心電図を見る(別ウィンドウ)該当するもの、および可能性の高い疾病をすべて選べ。
【解答】
b. 完全左脚ブロック
c. 拡張型心筋症
d. 肥大型心筋症
【解説】
主要心電図所見
心電図では左脚ブロックを呈し、QRS時間は0.20秒と著明に延長している。注意すべきことは、I、aVL誘導で0.04秒以上のQ波を伴っていることである。左脚ブロックでは通常心室中隔は右側から左側に興奮するために、I、aVL誘導でq波が生じないことがその特徴とされている。つまり、この心電図所見はQRS時間の著明な延長も含めて、左脚以外にも広範な障害を考慮しないと説明できない。
一般的にこのように説明不可能なQRS波異常と心拡大を伴う場合には、心筋症を疑うことが妥当である。