臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第5章
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3. Torsade de Pointes (TdP)QT間隔の延長を伴う特殊な形の心室頻拍である。多形性心室頻拍の一種で、頻拍中のQRS波形態が1拍ごとに刻々と変化する。特にQRS波の尖った部分が基線を中心に上、下、上、下とリボンをねじるように徐々に変化するさまから、torsade de pointes(尖端がねじれる)と名付けられた。数秒から数十秒で自然停止することが多いが、TdP中は循環が破綻し失神発作を起こすほか、心室細動に移行して突然死することもある。先天性QT延長症候群(LQTS)はもちろん、薬剤性など二次性QT延長の場合にも、TdP発生に十分な注意が必要である。

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