臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第5章
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2.心室頻拍ECG V035(Holter心電図記録の一部)QRS幅の広い頻拍で、前半3分の1はQRS波が上向き→下向き→上向き→下向きと交互にあらわれているが、中央3分の1ではこの規則性がなくなり、後半の3分の1では完全に秩序を失い、どれがQRS波なのか分からない。二方向性心室頻拍(bidirectional ventricular tachycardia)から多形性心室頻拍、さらには心室細動へと進んだもので、カテコラミン感受性多形性心室頻拍(catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia: CPVT)の小児例で観察された。二方向性心室頻拍は、CPVTのほかジギタリス中毒などの際にも時々見られる注意すべき現象である。    453

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