臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第5章
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2.心室頻拍ECG V031(12誘導同時記録)心拍数180/分のQRS幅の広い持続性頻拍である。心拍数が多いため房室解離の確認は困難で、明らかな心室捕捉や融合収縮も見られないが、この例もやはり心室頻拍である。特に本例で注目される所見としてあげられるのは、胸部誘導V3-V6でQRS波がほぼ同じ形をしている点(V5のみ1mV=0.5cmで記録されている)である。このような所見はconcordant QRS(QRS一致現象)と呼ばれ、やはり心室頻拍であることを強く示唆する。また、頻拍は左脚ブロック右軸偏位型で、これも右室流出路起源の心室頻拍でよく見られる所見である。    441

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