臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第5章
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1.心室期外収縮ECG V010(Ⅰ、Ⅱ、 aVF、 V1、 V3、 V5同時記録)代償性心室期外収縮が3個出現している。いずれもV5誘導において幅広いM字型を呈し、S波がないことから左脚ブロック型である。しかし、Ⅰ、Ⅱ、 aVF誘導を見ると、E1とE3は上方軸(左軸偏位)であるのに対しE2は下方軸(右軸偏位)で、まったく形態が異なる。すなわち、期外収縮の起源が右室の流出路と心尖部の2ヵ所にあると推測される。このように、複数の起源が想定されるものを多形性心室期外収縮と呼ぶ。Lown分類のgrade 3に相当する所見である。    389

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