臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第4章
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第4章 房室接合部性不整脈ECG J034(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導の一部を拡大)ここで注目すべき心拍はP10とそれに伴うR6の部分である。他のRR間隔がいずれもほぼ1.25秒であるのに対し、R5-R6間隔のみが0.82秒と極端に短く、房室伝導が回復している可能性が高い。なぜ、こうした現象が起こるのであろうか。完全房室ブロックの際に、先行R波からある一定の範囲にあらわれたP波のみが心室まで伝導する過常期伝導(supernormal phase of conduction)と呼ばれる現象がまれに見られるが、この例もそれに該当するのかもしれない。   354

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