臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第4章
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4.房室ブロックECG J030(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導同時記録)(上下は不連続)失神発作を主訴に来院した患者さんの記録。上段の先頭部分はP1がR1に伝導、P2とP3はブロックされ、P4がR2に伝導しているようである。しかし、P5以降はP波のみでQRS波がまったく出現せず、高度房室ブロックによる心室停止の状態である。その1~2分後には下段のような状態になったが、ここではP波とQRS波は完全房室解離を示し、補充調律を呈している。RR間隔2.5秒、心拍数24/分と高度の徐脈であるが、QRS幅は比較的狭く、伝導したR1、R2とほぼ同じ形態のため、心室ではなく房室接合部からの補充調律と考えられる。    345

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