臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第4章
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4.房室ブロックECG J029(V1、V2、V3同時記録)記録の前半は第2度(2対1)房室ブロックでP1がR1に、P3がR2に、P5がR3にそれぞれ伝導していると判断される。P6以降はPP間隔に多少の変動が見られるが、RR間隔は一定で完全房室解離を呈し、それぞれ無関係に独自のリズムであらわれている。すなわち、記録の途中から第3度(完全)房室ブロックに進展したと考えられる。ちなみに、R1、R2、R3はQS型の幅の狭いQRS波でR1-R2及びR2-R3は約1.9秒であるのに対し、R4、R5、R6は右脚ブロック型の幅広いQRS波でR3-R4、R4-R5及びR5-R6は約2.1秒に延長し一定のリズムで出現していることから心室補充調律と判断される。   343

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