臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第4章
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心電図 こぼれ話第15話 Wenckebach型第2度房室ブロック? 「第2度房室ブロックにはWenckebach型とMobitz Ⅱ型とが存在する」と記載されている教科書がある。これは二重に間違っている。第一に「第2度房室ブロック」は房室伝導障害のために時々QRSが脱落する状態をいい、「Mobitz Ⅰ型」、「Mobitz Ⅱ型」、「高度」の三つが含まれる。第二にWenckebach先生が報告したのはPQ(PR)間隔が徐々に延長し、ついにQRSが脱落した後に再び元のPQ間隔に戻るという周期で、これを「Wenckebach周期」と名付けたのである。したがって、第2度房室ブロックをタイプ分類する際には、「Wenckebach型」ではなく「Mobitz I型」というべきである。

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