臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第4章
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4.房室ブロックECG J020(Holter心電図による2チャネル同時記録)(*上下連続)J017と同一症例で、別の時間帯に記録された。上段はMobitz II型第2度房室ブロックで、2対1伝導が3回連続した後、1対1伝導が下段にかけて5拍続いた。この間の洞周期は約1.1秒であるが、その後約3.3秒の心停止をきたしている。この部分をよく見ると、AのP波は正常に伝導、本来あらわれるべきBの位置にP波がなく、Cで出現したP波に続くQRS波は脱落し、Dで元に戻っていることが分かる。すなわち、Bで洞房ブロック、Cで房室ブロックが生じたためにこのような所見(洞周期の約3倍の心停止)を呈したと判断される。珍しい所見である。    325

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