臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第4章
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第4章 房室接合部性不整脈ECG J008(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、誘導の一部を拡大)頻拍停止前後を拡大すると、頻拍中QRS波終末部に見られていた小さなノッチは最後の心拍では消失していることが分かる。すなわち、頻拍の最後の心拍では、房室結節遅伝導路を順行した興奮は心室に伝わったが、リエントリーによって速伝導路を逆行した興奮は途中で途絶して心房に到達せず、ここでリエントリーが消滅し頻拍が停止したと判断される。その直後に出現した幅広く変形した心拍は心室期外収縮で、上室頻拍停止時にしばしば見られる所見である。   292

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