臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第4章
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心電図 こぼれ話第17話 心電図でわかることわからないこと 心電図は心臓で起こっている電気現象とその時間的推移を可視化したものである。そのため、起電力を生み出している心筋細胞の活動電位に何らかの変化をもたらす病態があれば、その異常を捉えることができる。また、その起電力が体表に置いた電極に到達する過程における異常ももちろんわかる。つまり、心電図には心臓そのものの情報のみならずそれを取り巻く様々な因子、例えば循環動態、自律神経、電解質、酸塩基平衡などに関する情報も数多く含まれているほか、それらに直接間接に影響を及ぼす食事や薬剤の効果等々、重要情報が満載なのである。臨床現場で非侵襲的に得られるこれらの情報を利用しない手はない。

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