臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第4章
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3. 上室頻拍主として、房室結節及びその近傍の心房下部組織が発生・持続に関与する頻拍を『上室頻拍』と呼ぶ。リエントリーを機序とするものが多く、しばしば発作性で突然発生・突然停止する。『房室結節リエントリー性頻拍』と副伝導路を介する『房室回帰性頻拍』が大半を占めるが、さらに前者は遅伝導路を順行、速伝導路を逆行する『通常型(common type)』と逆向きの興奮を示す『非通常型(uncommon type)』に、後者はヒス束を順行し副伝導路を逆行する『正方向性(orthodromic type)』と副伝導路を順行する『逆方向性(antidromic type)』に分けられる。アブレーション治療によって根治可能な例が多い。

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