臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第3章
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1.心房(上室)期外収縮ECG A018(Holter心電図の記録)上段4拍目までは洞調律であるが、5拍目に上室期外収縮(先行する異所性P波があるので心房期外収縮と判断される)が出現したのをきっかけに、突然徐脈を呈している。約14秒続いた後、下段では洞調律に復帰している。先ず注目すべきはT波で、上段前半部及び最下段の洞調律(心拍数約75/分)と思われる時(a)と、心拍数42/分前後の徐脈の時(b)では明らかに形が異なる。すなわち、(b)ではT波に異所性P波が重なっている可能性がある。また、この変形したT波と次のP波の間隔Aは常に一定である。これらの所見から、突然の徐脈は▼の上室期外収縮をきっかけに、十数秒にわたって非伝導性心房期外収縮が非代償性二段脈で出現したためと判断される。   133

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