臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第3章
156/170

第3章 心房性不整脈ECG A059(V1、V2、V3誘導の一部を拡大)基線がドリフトしているので少しわかりにくいが、それぞれのQRS波の直後に下向きの明らかなF波(一部はQRS波の中に隠れている)が観察される。すなわち、F波とQRS波が1対1に対応しており、1対1伝導の通常型心房粗動と判断される。このように心房粗動で1対1伝導をきたすと、極端な頻脈になるため血行動態が破綻し、循環を保てなくなることがある。突然死に結び付くこともあるため、ただちに対処しなければならない重症不整脈といえる。    244

元のページ  ../index.html#156

このブックを見る