臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第3章
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第3章 心房性不整脈ECG A057(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導の一部を拡大)心房から心室への伝導を考えると、一見A052と同様4対1伝導と2対1伝導を交互に示しているようである。しかし、F波とQRS波の関係を詳細に見ると、F4とV1及びF10とV3は房室結節を通って伝導するには間隔が短過ぎる。すなわち、V1に伝導したのはF3、V3に伝導したのはF9と考えるのが妥当である。F6からV2、F12からV4は通常に伝導しているとすれば、上図のようにすべて3対1伝導ということになる。3対1伝導であるにもかかわらず長短交互の二段脈を呈する機序の説明は難しいが、房室結節の不応期の周期的変化が関係していることが想定される。    236

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