臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第3章
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1.心房(上室)期外収縮ECG A002(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導の一部を拡大)心拍③と④の間隔が長いのはどうしてだろうか? よく見ると、この間隔は②と③及び⑤と⑥の間隔に等しい。つまり、▼1や▼2など期外収縮を挟む二つの洞収縮の間隔と同じである。さらによく見ると、③のT波は②や⑤のT波と同様に変形している。これはP波が重なっているためと考えられる。すなわち、?部分では▼1や▼2と同じ上室期外収縮が起こっているが、QRS波が脱落しP波のみが残った状態と判断される。これを非伝導性心房(上室)期外収縮と呼ぶ。房室ブロックや洞房ブロックと間違えやすいので注意が必要である。   99

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