臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第1章・第2章
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心電図 こぼれ話第5話 不整脈≠脈不整 不整脈という用語は紛らわしく、しばしば一般人の誤解を招く。原語は“cardiac arrhythmia”または“cardiac dysrhythmia”で、直訳すれば“心臓リズム異常状態”ということになる。すなわち、心臓の電気現象のリズムがどこかで異常になっている状態を指すもので、いわゆる“脈”とは無関係な概念なのである。実際には多くの不整脈が脈の不整を伴っているが、伝導比の一定な心房粗動など不整脈であっても脈の不整がない病態や、逆に心のう液貯留時など正常洞調律でも脈の大小不同を示す場合もある。最初に用語を制定する際に“不整脈”ではなく“リズム異常”としておけばよかったのかも……。

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