臨床心電図解析の実際 - 複雑な心電図の解析編
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74複雑な心電図の解析編ブロック-4 AnswerⅠⅡV1V2V1誘導で明らかに規則的なF波が観察されるが、3心拍ずつが組になった三段脈を呈している()。このようなリズムをきたす機序は、どのように考えられるであろうか。心房房室結節心室XX××××××××××①②③①②③①②③①②③V1V1誘導を拡大して細かく観察すると、心房興奮(F波)と心室興奮(QRS波)の関係はRR間隔の短い部分ではほぼ2対1伝導、長い部分では4対1伝導のようである。さらに細かくRR間隔を計測すると、470msec程度の①()、420msec程度の②()、770msec程度の③()と、3種類のRR間隔が順次出現し、それによって三段脈を呈していることがわかる。このようなリズムをきたす機序に関しては、上記のラダーダイアグラムに示すように房室結節を上部と下部に分け、上部では2対1伝導()、下部ではWenckebach周期の4対3伝導()を想定すれば、説明可能である。

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