臨床心電図解析の実際 - 複雑な心電図の解析編
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70複雑な心電図の解析編ブロック-2 AnswerV1V2ⅠⅡABRR間隔は、短い周期A()と長い周期B()を交互に繰り返す二段脈になっている。この二段脈の成因を考えてみよう。V1V2V3心房房室結節心室P1P2P3P4P5P6P7P8P9P1P2P3P4P5P6P7P8P9R1R2R3R4R5R6R1R2R3R4R5R6BBBAAⅠⅡⅢⅠ~Ⅲ、V1~V3誘導の一部を拡大した。P波とR波の関係をラダーダイアグラムに表してみる。P1、P4、P7は房室結節を正常に伝導してR1、R3、R5を形成し、P2、P3、P5、P6、P8、P9は房室ブロックで伝導が途絶、R2、R4、R6は房室接合部からの補充収縮と考えれば、周期Aと周期Bの二段脈を呈することが説明できそうである。なお、P3とR2、P6とR4、P9とR6がほぼ同じタイミングで出現しているため、本例の房室ブロックの程度が高度房室ブロックであるのか、2対1房室ブロックであるのかを鑑別することは困難である。

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