臨床心電図解析の実際 - 複雑な心電図の解析編
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68複雑な心電図の解析編ブロック-1 Answer洞結節心房房室結節心室×××Ⅰ【解析2】2対1洞房ブロック+洞室伝導Ⅰ誘導の一部を拡大した。極めてまれな現象であるが、2対1洞房ブロック+洞室伝導(sino-ventricular conduction)の可能性も考えられる。この場合は、洞結節が0.52秒間隔(興奮頻度115/分)で興奮していることが条件である。洞結節の興奮は、2対1洞房ブロックにより1拍おきに心房に伝導するため、P波は1.04秒ごとに出現し()、さらに心房→房室結節→心室と、興奮が伝播して奇数拍のQRS波を形成する(心室内伝導障害のため、QRS波は幅広い)。偶数拍は洞房ブロックのためP波は現れないが、洞結節の興奮が結節間伝導路を介して直接(心房を経由せず)房室結節に伝導し()、さらに心室に至って偶数拍のQRS波を形成したと考えられる。この場合には、RR間隔が0.52秒で一定であるため、洞結節→心房→房室結節の伝導時間と洞結節→結節間伝導路→房室結節の伝導時間が同じであるという条件が必要になる。

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