臨床心電図解析の実際 - 複雑な心電図の解析編
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42複雑な心電図の解析編異所性収縮-9 AnswerABABABAⅠⅡⅢV1V2V3V4V5V6aVRaVLaVF右室流出路起源と思われる心室期外収縮が多発しており、二段脈を呈している。よくみると、期外収縮の連結期は長短2種類(A、B)あって交互に現れているようであるが、期外収縮の形は同一でfocusは一つと考えられる。この現象はどのように解析することができるであろうか。心房房室結節心室洞結節異所性中枢×××ABABABⅡⅡ誘導を連続記録、縦方向を拡大表示した。Ⅱ誘導の連続記録を用いてラダーダイアグラムを書いてみる。連結期の長い期外収縮Aでは上行した逆行性興奮は洞性P波による心房不応期に遭遇し、房室結節近傍で消滅するが、連結期の短い期外収縮Bでは不応期を外れているため、逆行性に心房に進入すると推測される。ただし、期外収縮の後に代償性休止期を伴っていることから、洞結節にまでは影響を及ぼしていないと考えられる。AとBが交互に出現する機序に関しては、進出ブロック(exit block)などが想定されるが、正確な説明は難しい。

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