臨床心電図解析の実際 - 複雑な心電図の解析編
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36複雑な心電図の解析編異所性収縮-6 AnswerNNNNRVRVRVRVRVRVRVLVLVLVLVFFABQRS波の形に注目してみると、Nは正常心拍、RVは右室由来の心室期外収縮、LVは左室由来の心室期外収縮と考えられる。また、FはLVとNの融合収縮のようである。LV同士の間隔は、Fも含めて1.3秒前後でほぼ一定である。RV同士の間隔は必ずしも一定ではないが、両者はそれぞれ独立して出現しているようにみえる。LVに関しては心室副収縮(ventricular parasystole)の可能性が高く、RVもその可能性があるとすれば、複数個所からの心室副収縮(double ventricular parasystole)が同時にみられるということになり、極めて珍しい所見といえよう。ANRVRVRVRVLVLVLVFab洞結節心房房室結節左心室右心室心室副収縮を想定したA部分のラダーダイアグラムを示す。a部分()で左室起源の期外収縮(LV)がみられないのは、直前に出現した右室起源の期外収縮(RV)による不応期に遭遇したためと考えられ、b部分()で右室起源の期外収縮(RV)が出現しないのは、右室異所性中枢からの進出ブロック(exit block)と考えれば、説明可能であろう。

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