臨床心電図解析の実際 - 複雑な心電図の解析編
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34複雑な心電図の解析編異所性収縮-5 AnswerSSSSⅠⅡⅢaVRaVLaVF明らかに洞結節由来の正常心拍と考えられるのは四角で囲んだ4心拍のみ(S)()で、あとはいずれも異所性心拍である可能性が高い。では、これらの心拍を解析してみよう。SSSSS’SSSAAAAAAAAAAAAAAJJSEEJJVVVVVVVVWWWWWWWWWWVVVVVVV洞結節心房房室結節心室ⅡⅢP波、QRS波の形を際立たせるために、Ⅱ、Ⅲ誘導のみを縦方向に拡大して示す。ラダーダイアグラムに解析結果を示す。Sは洞収縮、Aは比較的高位からの異所性心房収縮、Jは房室接合部由来の異所性心拍、Eは心室由来の異所性収縮と考えられる。通常に伝導して形成された正常心拍はV、心室の相対不応期に遭遇して変行伝導をきたしたと考えられる心拍をWで示した。なお、最後から三つ目の心拍のP波は洞収縮と房室接合部性収縮の中間型を呈しており、両者の融合収縮と考えることができる。

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