臨床心電図解析の実際 - 複雑な心電図の解析編
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28複雑な心電図の解析編異所性収縮-2 AnswerⅠⅡⅢaVRaVLaVFAAAAAAAABBBBBP波の極性をみると、Ⅱ、Ⅲ、aVF誘導で陰性の心拍(A)と陽性の心拍(B)が途中まで交互に出現しているが、最後の3心拍はAのみになっている。P波の形態からはBが洞収縮、Aが異所性収縮のようにみえるが、はたしてそう考えてよいであろうか。ちなみにAA間隔、BB間隔とも多少のばらつきがあり、BA間隔は比較的長く、最も短いAA間隔()よりも長いようである。逆にAB間隔は短くかつ不定である。①Bが洞収縮で基本調律であると考える場合Aは心房下部由来の期外収縮ということになるが、BA間隔(連結期)がきわめて長いことが不自然であり、後半にBが出現しない理由も説明しがたい。②Aが基本調律で異所性心房調律と考える場合Bは(一見洞収縮のようにみえるが)洞結節近傍の異所性中枢からの心房期外収縮で、連結期が不定であると考えれば大きな矛盾はないが、このようなP波の関係はあまりみられない。

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