臨床心電図解析の実際 - 複雑な心電図の解析編
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1複雑な心電図の解析編複雑な心電図の解析手順*まず記録されているすべてのP波とQRS波を同定し、極性、形態によって分類する。*洞結節、心房、房室結節、心室の順にラダーダイアグラムを作り、P波およびQRS波の立ち上がり部分をラダーダイアグラム上の心房、心室の欄に描記する。*興奮が上から下に順行すると考えられる場合は下向きに、下から上に逆行すると考えられる場合は上向きに、描記した線に矢印を付ける。*興奮が房室結節を経由していると考えられる場合は、房室結節の欄で心房と心室を斜めに結ぶ。*異所性興奮が想定される場合は、それぞれ発生部位と考えられる部分に印(●、★など)を付け、そこからの興奮伝播過程を記す。*必要に応じて洞結節興奮を推定して記す。*伝導が途絶していると考えられる場合は、途絶部位を二重線で示す。*必要に応じて、それぞれの組織の想定される不応期の長さを影などで表す。*これらの分析結果を総合し、洞結節から心室に至る興奮伝播の様子を考察し、診断を考える。*計測・解析に際しては、製図用のディバイダーを活用するとよい。*ラダーダイアグラムのみでは十分な考察ができない場合には、RP-PR関係図など、必要に応じて各種計測値を用いたグラフを作成し、視覚的に解析することもある。

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