第9章|臨床心電図解析の実際 - 不整脈関連波形異常編
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2重症不整脈に直結する波形異常編QRS幅増大(wide QRS)+電気軸変化がみられる心電図QRS幅増大(wide QRS)+電気軸変化とは?*完全右脚ブロックで高度の左軸偏位を伴う場合、あるいは高度の右軸偏位を伴う場合は、右脚に加えて左脚前枝あるいは左脚後枝にも伝導障害が存在する可能性があるとされ、二束ブロックと総称することがある。*高度の左軸偏位を左脚前枝ヘミブロック、高度の右軸偏位を左脚後枝ヘミブロックという場合もある。*上記の二束ブロックにさらにPR延長が加わった場合、あるいは完全左脚ブロックでPR延長を伴う場合には、右脚、左脚前枝、左脚後枝の3本ともに伝導障害が想定されることから、三束あるいは三枝ブロックと呼び、高度房室ブロックへの進展のリスクが高いと考えられている。*特にこれらの心電図所見が新たに出現したり、短時間に変動したりする場合には、心筋虚血や梗塞などの基礎病態が急激に進展している可能性があり、厳密な監視・管理が必要である。

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